照片 © Hiroshi Ueda
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建筑师:シーラカンスアンドアソシエイツ
位置:広島県大崎上島町, 日本
年份:2021
建築と自然が一体化した大らかな学校 この学校は、様々な地域や世界の「よりよい未来」を創造できるリーダーを育てるために、広島県の大崎上島に計画された全寮制の中高一貫教育校である。
学校の敷地は2つあり、海側にグラウンド、陸側に学校を配置した。茫漠とした敷地だったので、陸側は、「みかん広場」「学びの庭」「生活の庭」と呼ぶスケールの異なる中庭を設け、校舎と寮の活動単位に適した領域性を与えた。それらの中庭を中心に各機能のまとまりである「クラスター」を配置し、回廊や軒下空間などの「コネクター」で繋ぐ空間構成がこの学校の特徴である。
この空間構成は、国際バカロレア・プログラムや国際恊働型プロジェクト学習など、1人から大人数まで変化する学習単位と空間の整合性を、設計と同時に検討してもクラスター単位の調整となり、建築全体への影響が少ない利点がある。分棟のクラスターは、建築用途に応じた構造形式の自由度も高い。アメーバのような拡張性を持つ空間構成は、工区分けした建設計画や、将来的な増築にも柔軟に対応できる。瀬戸内の温暖な気候を生かした半外部のコネクターは生活の場ともなり、建築と自然を緩やかにつなぐ。建築と自然が一体化した大らかな空間が、島と学校の垣根をなくし、やがて島全体が豊かな生活と学びの場へと、今以上に成長していくことを願う。
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