© YASHIRO PHOTO OFFICE
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Landscape Architects:デザインネットワーク | DNA
位置:750-8511 山口県下関市, 日本
年份:2022
交流のグリッド”がつくるキャンパスの新しい風景
セントラルパークは建築家・小堀哲夫氏設計による新校舎CROSSLIGHTに併設するキャンパスのオープンスペースである。学生、教職員のための憩いや活動スペース、学園祭などのイベントを行える多目的スペースとして利用できる場所として計画することが求められた。
CROSSLIGHTは、“交流のグリッド”と呼ばれる既存のグリッドに対して45度回転した新しいグリッドを軸に、空間が構成されている。“交流のグリッド”によって動線や視線が三次元的に交わり、CROSSLIGT内部では様々な活動や交流が生まれている。その魅力的な室内風景が連続的に屋外にも広がっているようなセントラルパークを計画したいと考えた。
そのためにはまず、CROSSLIGHTとセントラルパークの関係性をどのように捉えるかが大切だと考えた。“CROSSLIGHTはセントラルパークの中に建っている”、さらに言うと“CROSSLIGHTはセントラルパークに屋根をかけて生まれた空間である”と捉えることにより、CROSSLIGHTの1Fとセントラルパークは地続きの一体的なランドスケープとして、多様なアクティビティを誘発する場となるのではないかと考えた。この一体的なランドスケープという概念を具現化するために、交流のグリッドはCROSSLIGHTとセントラルパークとが共有する“骨格”として位置付け、交流のグリッドをセントラルパークにも拡張した。
拡張された交流のグリッドを軸に、セントラルパーク全体の計画を行った。“骨格”であるグリッドには一人でも複数人でも滞在しやすいベンチ、雨水排水のための側溝、スケボー対策のために表面に凹凸を持たせた石張りといった機能を付加し、グリッド内部は使い方や用途に応じたマテリアルを当てはめた。人の通行量の多いエリアには歩きやすく透水性のある舗装、イベントや軽い運動等多目的に利用できるエリアにはクッション性のある芝、そして学生や教職員が憩うエリアには素材感のあるタイルを当てはめました。さらに季節ごとに色付く様々な草花や、サクラやモミジ、カツラ等、花や紅葉がきれいな落葉樹を植栽し、居心地の良い公園のような環境づくりを意識した。またスタージェスホールの正面にはセントラルパークのシンボルにもなり、ミッションスクールらしさを演出するクリスマスツリーを植栽した。陸上競技場との敷地境界沿いに連なる植栽帯は、CROSSLIGHT側からはセントラルパークにおける彩りのある背景となり、陸上競技場側からは華やかな“大学の顔”となる。
グリッドというリジットなフレームを“地”とすることによって、CROSSLIGHTとの一体性やキャンパスの中心的場所としてのシンボル性を創出し、その中に多様な使い方を受け入れる寛容さや居場所としての快適さを織り込むことで、キャンパスの新しい風景を創造した。 CROSSLIGHTと連続する交流のグリッドによって、セントラルパークは多様なアクティビティを誘発し、CROSSLIGHTとの相乗効果により、これまで以上にキャンパスに賑わいや活気をもたらすのではないかと思う。そしてキャンパス内の賑わいや活気が周辺地域にも波及し、ゆくゆくは大学と地域を繋ぐ、まさに公園のような公益性の高い場所になることを期待している。
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